主に中国少数民族の民話を題材にした絵本(日本語訳)を紹介していきます。
長い歴史、多様な民族の中国は、民話の宝庫と言われています。民族の数だけ、固有の文化があります。気候、風土が違えば衣食住は異なり、当然、言葉やものの見方、考え方なども異なります。はるか昔から語り継がれてきたお話に触れ、少しでも、少数民族に思いをはせていただければ、うれしいです。
ご自身で楽しむのもよし、子どもたちと一緒に楽しむのもよし。
時にはガハハッ、時にはクスッと笑えたり、ほっこりしたり、考えさせられたりと、豊かな時間を与えてくれます。
1.「王さまと九人のきょうだい」
民族:イ族 訳:君島 久子(キミシマ ヒサコ) 絵:赤羽 末吉(アカバ スエキチ) 出版社:岩波書店
子どものいないおじいさんとおばあさんのところに、ある日、9人の赤んぼうが生まれました。名前は「ちからもち」「くいしんぼう」「はらいっぱい」「ぶってくれ」「ながすね」「さむがりや」「あつがりや」「切ってくれ」「みずくぐり」です。
このきょうだいが成長したとき、王さまがつぎつぎと無理難題をふっかけてきました。王さまの無理難題を解決する方法は?そして、無事、すべて、解決できたのでしょうか。
1969年発売以来、読み継がれているロングセラーで、痛快傑作絵本です!!
中国少数民族の民話絵本に興味を持つきっかけとなった一冊です。
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★イ族
・人口:約871万人(2010年第6回人口調査)
・主な居住地域:四川省、雲南省、貴州省
・言語:彝語(イゴ/彝族によって話される言語)
・プライドが高く、人情と義理を重んじ、客を大切にする礼儀正しい民族であり、女性を殴ったりしないと言われています。
・嫁に行く娘の脚が地面につくと災いを招くという言い伝えがあり、”背負い婚”が行われています。”背負い婚”とは結婚式の3日前に、新郎の弟が新婦を背負って、新郎の家に運ぶ婚礼のことです。