一枚の紙を一本の刃物のみで切り抜くのが特徴で、中国の民間工芸の一つです。日本では『切り紙』と言われています。
起源は商の時代(紀元前16~11世紀)にまで遡りますが、南北朝時期(420年~581年)という説もあります。作者は一般人民で、多くは農家婦女だったそうです。
繊細で、色彩豊かです。あの不気味なコウモリも剪紙になると、色とりどりで可愛くもあります。
西洋ではヴァンパイアのイメージや魔女が化けたなどと、どちらかと言えば縁起の悪いものとされていますが、中国ではコウモリのことを「蝙蝠/biānfú」と言い、「变福/biànfú(福に変わる)」と音が似ているので縁起物なのです。所変われば品変わる、捉え方もずいぶんと違います。
「福」という字に5匹のコウモリ。玄関に飾っておくと、家人はもちろんのこと、客人にも福が訪れるような気持ちになるから、不思議です。
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★五福臨門(ゴフクリンモン)
5匹のコウモリが描かれた図案で、人生において5つの福(すべての福)を集めることを意味しています。5つの福とは、長寿(長生き)、富貴(財と地位)、健寧(健康と平安)、好徳(陰徳を積む)、善終(臨終の時に心残りがない)を表します。
これらの剪紙も、北京師範大学に留学していた時(1992年9月~1993年7月)、北京で購入したものです。二十数年ぶりに玉手箱から取り出したものもありますが、思いのほか、色褪せていないことに少々、驚いています。
🔹サイズ🔹
[京劇面]縦約10×横約7㎝ [十二支]縦約9×横約8㎝
🔹素材🔹
紙