中之島香雪美術館で開催中の企画展「茶席を彩る中国のやきもの」を観に行きました。
中国のやきものということ、ずいぶん前に茶道を習っていたこと、そして、JR大阪駅から徒歩でいける利便性もあり、前々から行きたいと思っていました。
朝日新聞社の創業者である村山龍平(ムラヤマ リョウヘイ/1850~1933)が収集した美術品の中から、室町時代に舶来の茶器として珍重された天目(テンモク)茶碗や青磁(セイジ)の花入(ハナイレ)、明時代末期の景徳鎮窯(ケイトクチンヨウ)で制作された「古染付(コソメツケ)」「祥瑞(ションズイ)」とよばれる鉢や皿など、茶席に彩りを添える中国陶磁102点を紹介しています。
景徳鎮窯(ケイトクチンヨウ/江西省)のものでは、「五彩花鳥図皿(ゴサイカチョウズザラ)」(明・万暦年間/1573~1620)や「色絵団龍花卉文水指(イロエダンリュウカキモンミズサシ)」(明時代末期~清時代初期/17世紀)が好きです。赤・青・緑など、とても、味わい深い色で、図柄も含め、趣があります。
天目茶碗では、南宋時代(12~13世紀)のもので、吉州窯(キッシュウヨウ/江西省)の「梅花(バイカ)天目」、建窯(ケンヨウ/福建省)の「油滴(ユテキ)天目」と「禾目(ノギメ)天目」が展示されています。
中でも「油滴(ユテキ)天目」は、水面に雨粒が生じているようでもあり、天から無数の星々が降り注いでいるようでもあります。漆黒の中にある銀色の小さな粒が、より幻想的な景色を見せてくれていて、お気に入りです。
ビジネス街で、しかも超高層ビルの中にあるにもかかわらず、外の喧騒とは無縁の静かさで、穏やかな時が流れていました。そんな空間の中で、中国のやきものと過ごせ、幸せなひと時でした。
一度、足を運んでみてはいかがでしょう。
・開催期間:2019年5月25日(土)~8月4日(日)
・https://www.kosetsu-museum.or.jp/nakanoshima/
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★天目茶碗
天目茶碗とは日本での呼び名で、鎌倉時代に中国浙江省(セッコウショウ)にある天目山の寺院で使われていた黒いうわぐすりのかかった茶碗を、日本人の禅僧が持ち帰ったため、こう呼ばれるようになったと言われています。
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